朝起きてから眠りにつくまで、会話のほとんどが恐竜。
毎日、恐竜達を引き連れてお風呂に入り、自分の体より先に洗い、自分の体より先に拭いて、脱衣所にきれいに並べ、「おやすみぃ〜」と布団(タオル)をかける。
(母はただ黙って待つ。本当は早くして欲しいと思ってるなんて気付かれてはいけない。)
もう、とにかく大好きなのだ。
愛読書の恐竜図鑑を毎日眺めるうちに、ひらがなとカタカナを覚えてしまった。
「ゆーすとれぷとすぽんでぃるす」
「けつぁるこあとるす」
「あるべるたけらとぷす」
聞いたこともない名前が、この間生まれたばかり(?)の息子の口からスラスラ出てきて、それだけでも、なんで?どういうこと?と、母は戸惑いが隠せないのやけど、今度は書きたくなったらしい。
そして、書けるようになってしまった。
「好き」という気持ちが大事なことは、十二分に分かっているつもりなのやけど、ここまでそれを体現されてしまうと、なんというか、ちょっと母は引いてしまっている。
ただただ、羨ましい。
今後、恐竜のおもちゃ達が、おもちゃ箱の奥に眠り続ける日が来るかもしれない。
でも、息子が文字を覚えたこの夏のことは、ちゃんと覚えていてあげたいと思う。
